夏場に愛犬を留守番させるとき、室内の暑さ対策は飼い主にとって最も気がかりなテーマのひとつです。犬の適温は20〜25度とされており、人間が快適と感じる28度でもすでに犬にとってはストレスを感じる温度域に入っています。実際に留守番中の室内熱中症で動物病院に搬送されるケースは毎年6〜8月に集中しており、2025年の統計では犬の熱中症搬送の約45%が室内で発症していたとの報告もあります。
- エアコンの最適な設定温度と電気代の目安
- 留守番中に使える冷却グッズの比較と選び方
- 犬種・年齢別の暑さへの弱さと対策の優先度
- 飼い主が外出先から確認できる見守りツール
エアコン設定の正解は何度?犬種別の最適温度ガイド
犬を留守番させる場合、エアコンは原則としてつけっぱなしにするのが鉄則です。獣医師の間では「犬のいる部屋は25〜26度、湿度50%前後が理想」という見解が広く共有されています。ただし犬種によって暑さへの耐性が大きく異なるため、一律に同じ温度設定というわけにはいきません。
| 犬種タイプ | 推奨エアコン設定 | 湿度目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 短頭種(パグ・フレンチブルドッグ等) | 23〜25度 | 40〜50% | 呼吸による放熱が苦手 |
| 長毛種(ポメラニアン・シェルティ等) | 24〜26度 | 45〜55% | 被毛による蓄熱に注意 |
| 大型犬(ゴールデン・ラブラドール等) | 24〜26度 | 45〜55% | 体重あたりの放熱面積が小さい |
| シニア犬(7歳以上) | 24〜25度 | 45〜50% | 体温調節機能の低下 |
| 子犬(6か月未満) | 25〜27度 | 50〜55% | 冷えすぎにも注意 |
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電気代が心配で設定温度を28度に上げてしまう飼い主さんも少なくありませんが、環境省の試算によると26度設定と28度設定の電気代差は月額約800〜1,200円程度です。愛犬の命と健康を考えると、この差額は保険代と考えるのが妥当でしょう。
盲点になりやすいのが「除湿」機能の活用です。気温が25度でも湿度が70%を超えると、犬はパンティング(ハァハァする呼吸)だけでは体温を十分に下げられなくなります。梅雨時期や雨の日は冷房よりも除湿モードが効果的なこともあるため、温湿度計を設置して判断材料にしてください。

留守番中に役立つ冷却グッズ5選 エアコンとの併用で安心度アップ
エアコンだけに頼るのではなく、停電や故障のリスクに備えて複数の冷却手段を用意しておくと安心です。実際に2025年夏の関東地方では突発的な停電が複数回発生し、エアコンが止まった室内で犬が熱中症を起こした事例が報告されています。
1位: 接触冷感クールマット(約2,000〜5,000円)
接触冷感クールマットは電源不要で動作し、犬が乗るだけで体表温度を5〜8度下げる効果があります。停電時にも機能するため、エアコンのバックアップとして最も信頼性が高い選択肢です。サイズはS(40×50cm)からXL(90×120cm)まで展開があり、中型犬にはM〜Lサイズ(50×65cm〜60×90cm)が適しています。
2位: 自動給水器・循環式ウォーターファウンテン(約3,000〜8,000円)
自動給水器は新鮮な水を常に循環させるため、留守番中の水分補給を確実にサポートしてくれます。犬は流れる水を好む習性があり、普通のボウルと比べて飲水量が約1.5倍に増えたというメーカーの調査データも見られるほどです。フィルター付きの製品は1〜2か月ごとのフィルター交換が必要で、交換用フィルターは1枚300〜600円程度です。
3位: ペット用見守りカメラ(約5,000〜15,000円)
ペット用見守りカメラはスマートフォンから室内の様子をリアルタイムで確認でき、温度センサー搭載モデルなら室温が設定値を超えた際にアラート通知が届きます。Furboやパナソニックの製品が人気で、双方向音声通話で外出先から愛犬に声をかけることも可能です。
4位: アルミ製冷却プレート(約4,000〜7,000円)
アルミ製冷却プレートは電源不要で半永久的に使える耐久性が魅力です。ジェルマットのように破損してジェルが漏れるリスクがないため、留守番中でも安全に設置できます。表面温度は室温より3〜5度低くなり、ひんやりした感触が長時間続くのも魅力でしょう。
5位: 凍らせたペットボトルとタオル(約0円)
コスト0円でできる緊急対策として、2Lのペットボトルに水を入れて凍らせ、タオルで巻いてクレートの横に置く方法があります。約4〜6時間かけてゆっくり溶けながら周囲の温度を2〜3度下げる効果が期待できます。ただし犬がペットボトルを噛んでしまうリスクがあるため、金属製のケージの外側に設置するのがポイントでしょう。

犬種・年齢別の暑さリスクと対策優先度

暑さへの弱さは犬種によって驚くほど差があり、対策の緊急度も変わってきます。英国王立獣医大学の研究(2020年)によると、短頭種の熱中症発症率は長頭種の約2倍とされています。
特に注意が必要な犬種
- 短頭種(パグ・フレンチブルドッグ・ブルドッグ・シーズー): 鼻腔が短く呼吸による放熱が極めて非効率。室温24度以上で注意、28度以上は危険域
- 北方原産の厚い被毛を持つ犬種(シベリアンハスキー・サモエド・秋田犬): ダブルコートが断熱材として機能し体温がこもりやすい
- 肥満傾向の犬: 体脂肪が断熱層となり、さらに心臓への負担が増大。適正体重の犬と比べて熱中症リスクが約3倍
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年齢による対策の違い
シニア犬(7歳以上)は体温調節機能が若い頃の70%程度まで低下するとされ、子犬(6か月未満)は体温調節システムが未発達のため冷えすぎにも弱いという特性があります。シニア犬の留守番時は設定温度を1度低めにし、子犬の場合は冷えすぎ防止のためマットの上に薄手の毛布を1枚用意しておくと安心です。
留守番前の準備チェックリストと危険サインの見分け方
外出前に次の7項目を確認する習慣をつけると、愛犬の留守番中のリスクを大幅に下げられます。
外出前の7つの確認ポイント
- エアコンの設定温度(25〜26度)と運転モード(冷房 or 除湿)
- 水飲みボウルが2か所以上に設置されているか
- カーテンが閉まっていて直射日光を遮断しているか
- クールマットが犬の定位置に敷いてあるか
- 見守りカメラの電源と接続状況
- 温湿度計の表示確認(室温25度以下・湿度55%以下が目標)
- 誤飲リスクのある小物が片付いているか
帰宅時に確認すべき危険サイン
帰宅後に愛犬の様子がいつもと違うと感じた場合、熱中症の可能性を疑ってください。初期症状は見逃しやすいため、普段から愛犬の行動パターンを把握しておくことが大切です。
- 軽度: 大量のよだれ、速い呼吸(1分間に40回以上)、ぐったりしている
- 中等度: 歯茎が赤い、ふらつき、嘔吐
- 重度: 意識がもうろうとしている、痙攣、歯茎が白い or 紫色
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中等度以上の症状が見られた場合は、体を濡れタオルで包んで首筋・脇の下・内股を重点的に冷やしながら、すぐに動物病院へ連絡してください。水を無理に飲ませるのは誤嚥のリスクがあるため避けましょう。

よくある質問

Q. 犬の留守番中、エアコンは何度に設定すべきですか?
A. 一般的な成犬であれば25〜26度、短頭種やシニア犬は23〜25度が推奨されています。湿度は50%前後を目安に設定してください。
Q. エアコンなしで犬を留守番させても大丈夫ですか?
A. 室温が28度を超える環境ではエアコンなしの留守番は危険です。扇風機は犬にとって体温を下げる効果がほとんどなく、代替手段にはなりません。最低でもクールマットと十分な水を用意し、室温が上がらない工夫が必要です。
Q. 犬の留守番中のエアコン電気代はどれくらいですか?
A. 6畳用エアコンを26度設定で8時間稼働した場合、1日あたり約80〜120円、月額で約2,400〜3,600円が目安になります。最新の省エネモデルならさらに安くなるケースもあるでしょう。
Q. 犬が留守番中に熱中症になった場合、まずどうすべきですか?
A. 濡れタオルで首筋・脇の下・内股を冷やしながら、すぐに動物病院へ連絡してください。氷水や冷水に浸けると血管が収縮して逆効果になることがあるため、常温〜ぬるま湯で濡らしたタオルが推奨されます。
Q. 扇風機やサーキュレーターだけで犬の暑さ対策になりますか?
A. 犬は人間のように全身で汗をかけないため、扇風機の風だけでは体温を十分に下げられません。エアコンの補助として空気循環に使うのは効果的ですが、扇風機のみでの暑さ対策は不十分です。
Q. 停電時に備えてどんな準備をしておけばよいですか?
A. 冷凍ペットボトル2〜3本、クールマット、十分な飲み水を常備しておくと安心です。スマートプラグとペット用見守りカメラを連携させておけば、停電発生時に通知を受け取れます。
Q. 犬の留守番は最長何時間まで大丈夫ですか?
A. 成犬で6〜8時間が一般的な目安とされています。ただし夏場はリスクが高まるため、可能であれば4〜5時間ごとに一度帰宅して室温と犬の状態を確認するのが望ましいでしょう。
万全の暑さ対策で安心して外出を

犬の留守番中の暑さ対策は「エアコン+冷却グッズ+見守り」の3層構造が基本です。エアコンの設定温度を25〜26度にし、クールマットや自動給水器を併用することで、万が一のエアコン停止時にもリスクを最小限に抑えられます。
特に短頭種・シニア犬・肥満傾向の犬を飼っている場合は、見守りカメラの温度アラート機能を活用して外出先からも室内環境を確認できるようにしておくと、飼い主自身の安心感にもつながるはずです。愛犬にとって快適な室内環境を整え、この夏も健やかに乗り越えてください。

