玄関のドアを閉めた瞬間、部屋の中から「キュンキュン」と鳴き声が聞こえてくる。帰宅したらトイレシートがびりびりに破かれていた。子犬を迎えたばかりの家庭では、こうした留守番の悩みがとても多く聞かれます。
犬はもともと群れで暮らす動物のため、ひとりで過ごす時間は練習しないと慣れにくいと言われています。一方で、短い時間から段階的に練習すれば、成犬になる頃には8時間前後の留守番をこなせる子がほとんどです。ポイントは「出かける前の準備」「留守中の環境」「帰宅時の接し方」の3つをセットで整えることにあります。
この記事でわかること:
- 年齢別に見た「留守番は何時間まで大丈夫か」の目安
- 子犬から始める留守番トレーニングの段階別5ステップ
- 吠える・いたずらする・トイレを失敗するときの対策
- 留守番を練習するときに用意したいグッズ
犬の留守番は何時間まで?年齢別の目安
留守番できる時間は年齢と体の成長で大きく変わります。子犬は膀胱が小さく食事回数も多いため、成犬と同じ感覚で長時間ひとりにするのは避けましょう。
| 年齢 | 留守番時間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 生後2〜3か月 | 1〜2時間 | 迎えて1週間は環境に慣れることを優先 |
| 生後4〜6か月 | 2〜3時間 | 「月齢+1時間」が一つの目安 |
| 生後7か月〜1歳 | 4〜6時間 | トイレの成功率を見ながら延ばす |
| 成犬(1〜7歳) | 8〜10時間 | 12時間以上は推奨されない |
| シニア犬(7歳以上) | 4〜8時間 | 体調・持病に合わせて短めに調整 |
子犬の留守番時間の目安としてよく使われるのが「月齢+1時間」という考え方です。たとえば生後3か月なら約4時間が上限の目安になりますが、これはあくまで体力面の話であり、トレーニング前の子犬に最初から4時間を求めるのは負担が大きいと考えられます。
留守番トレーニングを始める前に整えたい環境

トレーニングの成否は、練習を始める前の環境づくりで半分決まると言っても大げさではありません。留守中に安心して過ごせる「自分だけの場所」をつくることが出発点です。
サークルやクレートを「安心できる寝床」にする
部屋の中を自由にさせて留守番させると、誤飲やコードかじりの事故につながることがあります。最初はサークルやクレートの中で過ごす形にし、中に入るとおやつがもらえる・落ち着ける場所だと覚えてもらいましょう。扉を閉めた状態で30分ほど静かに過ごせれば、留守番練習に進む準備が整ったサインです。
室温とトイレの位置を確認する
留守中はエアコンで室温を20〜25℃前後に保つのが目安です。サークル内では寝床とトイレをできるだけ離して配置すると、トイレの失敗が減りやすくなります。直射日光が当たる窓際や、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。
子犬の留守番トレーニング 段階別5ステップ

練習は「ひとりの時間は怖くない」と少しずつ学んでもらう作業です。焦らず、1ステップを数日〜1週間かけて進めるつもりで取り組みましょう。
ステップ1: 同じ部屋でサークルに入って過ごす
飼い主が同じ部屋にいる状態で、サークル内で知育トイなどを使って5〜10分過ごす練習から始めます。鳴いても扉を開けず、静かになった瞬間に声をかけるのがコツです。
ステップ2: 姿が見えない時間を数十秒つくる
隣の部屋に移動して30秒ほどで戻ります。慣れてきたら1分、3分、5分と延ばしていきます。この段階では「すぐ戻ってくる」と覚えてもらうことが目的です。
ステップ3: 外出の合図に慣れさせる
鍵を持つ、上着を着る、バッグを持つといった動作を、実際には出かけずに何度か繰り返します。外出の合図そのものに不安を感じにくくなり、出発時の鳴きが落ち着きやすくなるでしょう。
ステップ4: 10〜30分の短い外出を試す
ゴミ出しや近所への買い物など、短い外出で実際の留守番を体験させます。ペットカメラがあれば、出発直後に鳴いていても数分で落ち着くかどうかも確認可能です。
ステップ5: 1時間、2時間と少しずつ延ばす
30分を問題なく過ごせたら、1時間、2時間と段階的に延ばします。トイレの失敗やいたずらが増えたら一つ前のステップに戻り、成功体験を積み直しましょう。
出かけるときも帰ってきたときも、大げさに声をかけず淡々と接するのが共通のルールです。帰宅直後に興奮して飛びついてきたら、落ち着くまで数分待ってから撫でてあげると、留守番と帰宅が特別なイベントになりにくくなります。
吠える・いたずらする・トイレを失敗するときの対策

練習中のトラブルは、原因ごとに対策を変えると改善が早まります。代表的な悩みと対策を整理しました。
| 困りごと | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 出かけた直後に吠え続ける | 外出の合図への不安 | ステップ3に戻り、合図への慣らしを繰り返す |
| 物をかじる・シートを破る | 退屈・エネルギー過多 | 出発前に散歩や遊びで体を動かし、知育トイを渡す |
| トイレを失敗する | 時間が長すぎる・寝床が近い | 留守番時間を短くし、トイレと寝床の距離を離す |
| 帰宅時に興奮して粗相する | うれしさによる興奮 | 帰宅後しばらく目を合わせず、落ち着いてから接する |
なお、よだれが大量に出る・自分の体を傷つけるほど噛む・食事をまったく取らないといった様子が続く場合は、分離不安の可能性も考えられます。トレーニングだけで抱え込まず、かかりつけの動物病院やドッグトレーナーに相談しましょう。
留守番トレーニングで用意したいグッズ
練習をスムーズに進めるために、次の商品があると安心です。どれも「ひとりの時間を安全で退屈しないものにする」ための道具で、メーカーごとにサイズや機能が異なります。役割と価格帯を一覧で比べると次のとおりです。
| グッズ | 主な役割 | 価格帯の目安 |
|---|---|---|
| 屋根付きサークル | 安全な留守番スペース | 8,000〜20,000円 |
| 知育トイ | 出発時の気そらし・退屈対策 | 1,500〜3,000円 |
| ペットカメラ | 留守中の様子確認 | 3,000〜20,000円 |
| 犬用ベッド | 寝床の安心感 | 3,000〜10,000円 |
| デンタルガム | 噛みたい欲求の発散 | 500〜2,000円 |
屋根付きサークル
ジャンプ力のある犬種や脱走が心配な子には、屋根付きサークルがおすすめです。トイレスペースと寝床を分けられる幅90cm以上のものを選ぶと、成長後も使い続けやすくなります。価格は8,000〜20,000円程度が中心です。
知育トイ(フードを詰めるタイプ)
中におやつやフードを詰められるゴム製の知育トイは、出発の瞬間に渡すと飼い主の外出から意識をそらす助けになります。冷凍したウェットフードを詰めると長持ちしやすいです。価格は1,500〜3,000円前後です。
ペットカメラ
留守中の様子を確認できる見守り用ペットカメラがあると、何分で鳴き止むか・どのタイミングでいたずらするかが分かり、トレーニングの進め方を調整しやすくなります。スマホで音声を届けられるモデルもあり、価格は3,000〜20,000円程度です。
犬用ベッド・クレートマット
サークルやクレートの中に洗える犬用ベッドを敷くと、寝床としての安心感が高まります。粗相したときにすぐ洗えるカバー付きのものが便利です。
犬用ベッド クレートマット 洗える 滑り止め リバーシブル ペットマット 犬 猫 兼用 撥水 耐久性抜群 室内 屋外 軽量 持ち運び便利 Sサイズ 60×45.7×3.8cm ライトグレー
3,797円 (税込)
噛んでも安全なガム
歯の生え変わり時期の子犬は、何かを噛みたい欲求が強くなります。犬用デンタルガムを留守番用に用意しておくと、家具やサークルをかじる行動の予防につながります。
犬の留守番トレーニングでよくある質問
Q1. 子犬の留守番トレーニングはいつから始められますか?
家に迎えて1週間ほど経ち、新しい環境に慣れてきた頃が目安です。最初は同じ部屋でサークルに入る練習から始め、数秒単位で姿が見えない時間を延ばしていきます。
Q2. 成犬になってからでも留守番は練習できますか?
はい、練習は可能です。子犬より時間がかかることはありますが、サークルやクレートに慣れる段階から順番に進めれば、多くの成犬が留守番できるようになります。
Q3. 留守番中にテレビやラジオをつけておくと効果はありますか?
外の物音をまぎらわせる効果が期待でき、落ち着く犬もいるようです。ただし効果には個体差があるため、ペットカメラで様子を見ながら判断するのがおすすめです。
Q4. 鳴いているときは戻ってあげたほうがよいですか?
鳴いている最中に戻ると「鳴けば帰ってくる」と学習しやすくなります。鳴き止んだタイミングで戻るようにし、それでも長時間鳴き続ける場合は留守番時間を短く戻して練習し直しましょう。
Q5. 留守番中のごはんと水はどうすればよいですか?
水はこぼれにくい給水器で常に飲めるようにしておきます。ごはんは出発前に済ませ、長時間になる場合は自動給餌器を使う方法もあります。
Q6. 留守番が長くなる日はどうすればよいですか?
成犬でも10時間を超える日は、ペットシッターや家族・知人に途中で様子を見てもらう、ペットホテルを利用するなどの方法を検討しましょう。
今日から5分の練習で「ひとりの時間」に慣れてもらおう
犬の留守番トレーニングは、年齢に合った時間設定と、サークル・クレートを安心できる場所にする環境づくりが土台になります。子犬なら「月齢+1時間」を上限の目安に、5つのステップを数日ずつ進めていくのが無理のないペースです。
まずは今日、同じ部屋でサークルに入って5分過ごす練習から始めてみてください。知育トイやペットカメラを上手に取り入れれば、飼い主も愛犬も安心して出かけられる毎日に近づいていきます。

